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少女の死因展

かつて、札幌にて自殺した少女がいた。
彼女は夢のような少女だった。物憂げな瞳であなたを見つめ、いつも肝心なことを言う前に口を閉ざしてしまう。
そんな、彼女の死を受け入れられない者達が集まり、彼女の死の真相を暴こうとしたことがある。

しかし、それを彼女は本当に望んでいただろうか。

彼女の墓は不当に暴かれ。その唇は語るべきではない物語を紡いだ。
全ては強奪されたテキストの名のもとに。

奪われたのだ。彼女は利用された。

物語は何も解決されてはいない。

物語は何も暴かれてはいない。

本当の彼女を探してほしい。

偽りで塗り固められた物語ではなく。

本当の彼女自身の願いを。

少女の死因展。

誰か、アリサを救ってあげて欲しい。彼女はまだ死んではいない。

 

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